Story
2026.07.22
現場を知り尽くした「扇の要」。女性MAたちの道を拓き、笑顔を支える支援職の誇り
自動車ディーラーにおける「MA(モビリティアドバイザー)」。店舗のフロントとしてお客様を迎え入れ、事務作業から接客までを幅広くこなすこの職種は、まさに店舗の顔だ。
群馬日産自動車に2005年に新卒入社し、4つの店舗で約18年間にわたりMAとして最前線に立ち続けてきた。そして現在、彼女は本社サービス部の課長として、全店舗のMAを統括・育成する「支援職」という新たなステージに立っている。
かつて現場で悔し涙を流した若手社員は、いかにして全社を牽引するリーダーとなったのか。後輩たちのために道を拓く、彼女の信念に迫った。
Eさん
群馬日産自動車株式会社
サービス部 課長
大学卒業後、2005年に群馬日産自動車へ新卒入社。館林店、桐生店、Kit-R太田店、前橋総社店でMA(モビリティアドバイザー)・アシスタントとして経験を積み、現在はサービス部課長として、MAの教育やスキルアップ、働きやすい環境づくりに取り組んでいる。
1. 「車と接客が好き」。現場で直面した、プロフェッショナルとしての重圧
「車が好きで、接客も好き」。彼女の原点はシンプルだった。親が自動車関係の仕事に就いていたこともあり、日産には幼い頃から縁があった。何より、お客様と一度きりではない「長く続く関係」を築ける自動車ディーラーの仕事に強く惹かれていたという。
現場当時のEさん
「昔はフロント業務というと派遣社員の方が多い時代でしたが、群馬日産グループには正社員として長く活躍できる環境がありました。それがここを選んだ決め手でした」
しかし、店舗での毎日は決して平坦ではなかった。フロントに立つ以上、お客様からは「自動車のプロ」として見られる。
「お客様からのご質問に対して、自社の商品や日産の知識で答えられなかった時は、本当に自分の力不足を痛感しました。また、今でこそありませんが、昔は『女性なんだからどうせ車のことはわからないだろう』と見下されるような悔しい経験をしたこともあります」
それでも彼女は逃げなかった。わからないことは学び、真摯にお客様と向き合う。その積み重ねが、彼女をプロフェッショナルへと育て上げていった。
2. 現場の痛みがわかるからこそ。本社から全社を繋ぐ「扇の要」へ
各店舗で豊富な経験を積んだ彼女は、現在、本社サービス部で全社のMAを育成・サポートする役割を担っている。店舗ごとに異なっていた業務のやり方を平準化し、会社全体のスキルアップを図るのが彼女の最大のミッションだ。
「MAの仕事は店舗の先輩から直接教わることが多いため、どうしても他店舗の状況を知らないまま育つ社員が多くなります。『やるべきことができていない』『逆にそこまでやる必要はない』など、店舗間でのバラつきがありました。新入社員からベテランまで、すべてのMAが働きやすいようにルールや教育を整えるのが今の私の仕事です」
本社からの発信は、ともすれば現場への「命令」や「押し付け」に聞こえがちだ。しかし、誰よりも現場の気持ちを知る彼女だからこそ、そこには細心の注意を払っている。
「現場経験者だからこそ、店舗のスタッフがどう感じるかが痛いほどわかります。だからこそ、言い方やタイミングにはすごく気を遣いますね。何かを教える時は『なぜそれが必要なのか』という理由を明確にし、新しいルールを展開する時は口頭だけでなく必ずマニュアルも作成するようにしています」
3. 「事務作業を減らし、対話を増やす」。現場目線がもたらした確かな成果
群馬日産グループには100年を超える歴史がある。長く受け継がれてきたやり方や独自の文化を尊重する「温故知新」の精神を大切にしながらも、彼女は時代に合った働き方へと現場をアップデートさせている。
「支援職としての成功体験の一つは、現場の業務改善です。MAの仕事は接客だけでなく事務作業も非常に多いんです。そこで、普段行っている事務作業のやり方を見直し、効率化する提案をして遂行しました。結果として事務作業の時間が減り、『お客様と対話する時間』を増やすことに成功し、それが店舗の売上上昇にも繋がりました」
ただ裏方として支えるだけでなく、自らの提案で現場を動かし、利益に貢献する。彼女はまさに、群馬日産の店舗運営における「扇の要」となっている。
4. 職種を越えて助け合う文化と、培われた「傾聴力」
約20年に及ぶキャリアの中で、彼女自身も大きな成長を遂げてきた。学生時代は年齢の近い相手としかうまく話せなかったという彼女だが、今は違う。
「小さなお子様からご高齢の方、新入社員から社長まで、どんな年代・役職の方とでも親しくお話しできるようになりました。話すこと以上に『傾聴力』がいかに重要か、この仕事を通じて学びましたね」
そして、その成長を支えてきたのは、群馬日産という組織の温かい風土だという。
「店舗には営業、MA、整備士と様々な職種がいますが、『お客様のために』という目的は全員一緒です。車のことでわからなければ整備士が、お客様のことでわからなければ営業が、すぐに助けてくれる。この強力なチームワークこそが、この会社の最大の魅力です。月火の連休制度のおかげでしっかり休息も取れますし、休みの日に会社の人とご飯に行くことも多いんですよ」
5. 私が先駆者になる。次世代の女性たちが憧れ、輝ける環境づくり
インタビューの最後、「これから目指すキャリアは?」という問いに対し、彼女は迷いなくこう答えた。
「自分自身のキャリアアップよりも、今働いている社員のためを優先したいです。向上心のある女性MAはたくさんいますが、店舗からステップアップして活躍できる環境が、まだまだ少ないのが現状です。だからこそ、本社にいる私が先駆者となって、女性が長く活躍し、キャリアを描ける環境づくりに励みたいんです」
現場の最前線で戦ってきた日々を糧に、次は後輩たちのために道を切り拓く。
彼女の挑戦は、群馬日産グループで働くすべての女性たちに、確かな希望の光を灯している。